医師マシューズは提供心臓の”相性”を基準に移植患者を選んでいた。そう割り切ることで人が人を選ばない、神の領域に踏み込まないことを自分に課していたのだ。だが所長のスミスは違った。人間として手術の緊急性を優先し、次の移植手術をマシューズの推すチェンバースではなく、グレイ夫人としたのだった。
あわてたKGBは、グレイ夫人を殺害、なおもチェンバースに移植を回さないスミス所長まで葬ってしまう。これでチェンバースに心臓が行き渡るのは確実かと思われたが・・・。
だが黙っていなかったのはCIAルーニー。CIAはスリーパーの存在を把握済みでワザと泳がせており、それはそれで利害は一致するはずだった。が、強硬派のルーニーは上層部に内緒で抹殺を決意、マシューズの懲役回避の過去を使い脅迫し、意図的に移植手術を失敗させチェンバースを葬ってしまった。
研究所内での地位を守りたいがゆえに脅迫に屈したマシューズ、皮肉にも違う形で神の領域に踏み込んでしまった。罪の意識にかられたマシューズは教会で懺悔する。だがそれを聴く牧師は、ルーニーにマシューズの口封じを依頼されたゴルゴ13だった。
主役はマシューズ。その彼の言動を読むだけでいろいろ考えさせられて面白い。今回患者を選ぶ際の自分の役割について言及していたが、臓器移植自体が実は神の領域に踏み込む事だと思う。さらにいえば各種病の過剰な治療さえもが人の寿命に対する挑戦かもしれない。
しかし、もし大切な人間が病に倒れた場合、最大限のことをしてあげたいのは当然の気持ちだ。
依頼人 :CIAルーニー
標的 :マシューズ医師
武器・アイテム:おそらくサイレンサー付きピストル
舞台 :アメリカ・ヒューストン
評価 :★★★☆☆
語録
「こう考えてください・・・まだ動いている心臓を、あなたがたが使うのではなく、神に預けられた命が、神のご意志でここに手配された、と」(ある神父)
1990:7 SPコミックス92巻
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